コラム -葬儀のお花ー

なぜお葬儀にお花が必要なのか
~~~心に寄り添う小さな灯りのように~~~
お葬儀の会場に入ると、まず目に入るのは静かに咲くお花たちですよね。
白い百合や菊、淡い色のカーネーション。どれも声を出さずに、ただそこにいてくれるだけなのに、不思議と胸の奥が少しだけやわらぐことがあります。
「どうしてお葬儀にはお花が欠かせないのだろう」そんな疑問を、ふと抱いたことはありませんか。
お花は、言葉にできない気持ちをそっと代わりに伝えてくれる存在です。
大切な人を見送るとき、私たちの心にはいろいろな思いが渦巻きます。悲しみ、感謝、寂しさ、そして「ありがとう」という気持ち。けれど、その全部を言葉にするのはとても難しいものです。
そんなとき、お花は静かにその想いを受け取って、やさしい色や香りに変えて届けてくれます。
また、お花には「旅立つ人を清らかに包む」という役割もあります。
人は生きている間、季節の花に触れ、自然の美しさに心を動かされながら過ごしてきました。だからこそ最後の時間にも、そっと花を添えてあげたい。そんな願いが昔から受け継がれてきたのだと思います。
お花は、故人の魂が穏やかに旅立てるようにと、静かに寄り添ってくれるのです。
そして、お花は残された人の心にも寄り添います。
深い悲しみの中にいると、世界が少し暗く見えてしまうことがありますよね。そんなとき、柔らかい色のお花がそばにあるだけで、ほんの少し呼吸が楽になる瞬間があります。
お花は「大丈夫だよ」と声をかけるわけではありません。でも、その静かな存在が、私たちの心に小さな灯りをともしてくれるのです。
お葬儀のお花は、ただの飾りではありません。
故人への敬意と感謝、そして残された人への思いやり。そのすべてをやさしく包み込むために、お花はそこにあります。
言葉では伝えきれない想いを、そっと形にしてくれるもの。それが、お葬儀にお花が必要とされる理由なのだと思います。

